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2014年8月26日 (火)

久しぶりにヤミ金と交渉した。

本当に久しぶりにヤミ金と交渉することになった。2年ぶりくらいだろうか、ヤミ金との交渉などの案件は全部事務所の若い先生方にやってもらっていたのだが、今回は手が空いている先生がいないので、やむなく久しぶりに自分でやってみた。

依頼者は恐れおののいているが、電話番号しかわからない03金融の類いばかりなので、電話処理だけである。ヤミ金は「犯罪者」なので、元金も含めて返金しない方針でいく。

「○○さんですか。突然お電話してすみません。私、岡山で弁護士をしております的場という者です。おはようございます。今回、○○市にお住まいの△△さんの依頼で介入することになりました。まことに失礼な言い方なんですが、○○さんがなさっていることは『ヤミ金』ということになりますので、今後は元金も含めてご請求には一切応じません。○○さんが何もされなければ、私も○○さんに何もしませんから、お互いそういうことでいきましょうね。よろしいでしょうか?」

「わかりました。」

「ご理解いただきありがとうございます。それではよろしくお願いしますね。」

6社のうち5社までは、このやりとりの繰り返しで簡単に解決した。1円も支払っていなかった業者が1社だけひどく怒っていたが、いろいろと説得し、最後は不承不承折れてくれた。

昔と言っても、数年前には、ヤミ金業者と怒鳴り合い、一日中嫌がらせ電話が事務所にかかり続けたものだ。あまりの無抵抗ぶりに、拍子抜けした。ヤミ金の対応ぶりの変化に、とても驚いてしまった。彼らも客に対しては暴言を吐いているのだろうが、弁護士と喧嘩してもいいことにならないということを学習したのだろう。

私が弁護士になった30年くらい前は、普通のサラ金屋さんですら、ものすごく強面で怖かった。そういうサラ金屋さんはほとんど廃業し姿を消した。

彼らの業界の環境変化は激烈だったのだろう。

そして、彼らの天敵であった弁護士業界も今経営環境の変化に苦しんでいる。仕事のスタイルを変え、新しい環境に適応しようと苦闘しているのである。




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