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2014年10月29日 (水)

虐待としつけの境界線、体罰と教育の違い、不貞行為が認定されるかどうかの境界線

Q

1 虐待としつけの境界線があれば教えて下さい。

2 同様に、体罰と教育の違いはどのあたりでしょうか?

3 浮気や不倫などの不貞行為が認定されるかどうかの境界線はあるのでしょうか?

4 同様にセクハラはいかがでしょうか?

A

1 虐待としつけの境界線があれば教えて下さい。
→弁護士の立場で、虐待は、それがあって子供の生命・身体が脅かされた場合は、暴行・傷害・傷害致死・保護責任者遺棄(致死)などの犯罪が成立したり、虐待した親から親権を取り上げる原因になるような行為ということになりますから、子供の生命・身体などが脅かされる危険をどれだけ発生させているかという視点で判断することになります。
「それをやっちゃったら子供が怪我するでしょう。」と第三者が感じるようなことをしたら、親がどのような意図でしていようとアウトです。
虐待死の事件を起こしてしまった大多数の親は、しつけのつもりだったと語ります。例えば、壁のボードに陥没ができるほど子供の頭をぶつけていても、体にタバコの火を押し当てるようなことをしていても、しつけのつもりだったと言われます。悩ましいのは、最悪の虐待をした親が平静な時は子供を猫かわいがりする親だったりもするのです。
商店で万引きを繰り返すようになってしまった我が子を治してやりたくて、冬の屋外に裸で出したとか、熱湯を手にかけたといった話を聞くと、親の必死な思いは痛いほど理解できます。しかし、これもアウトでしょう。
「育児ノイローゼ」などという言葉がよく使われますが、親が自分の感情を押さえきれなくなって子に暴力を向ける場合、そこから重大な結果が生じてしまうと虐待をしたという社会的非難を受けることになります。親権者には懲戒権があると民法は規定していますが、この規定は削除すべきだという声も強く、少なくとも子に強い肉体的・精神的苦痛を与えるような行為は正当な懲戒権行使とは認められないと思います。

2 同様に、体罰と教育の違いはどのあたりでしょうか?
→学校教育法第11条は「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない」と定めています。したがって、学校では体罰が教育の一貫だとされることはないのです。
文科省が平成25年に発表した「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について(通知)」 という文書によると「ここでいう懲戒とは、学校教育法施行規則に定める退学(略)、停学(略)、訓告のほか、児童生徒に肉体的苦痛を与えるものでない限り、通常、懲戒権の範囲内と判断されると考えられる行為として、注意、叱責、居残り、別室指導、起立、宿題、清掃、学校当番の割当て、文書指導 などがある」とされており、他方「その懲戒の内容が身体的性質のもの、すなわち、身体に対する侵害を内容 とするもの(殴る、蹴る等)、児童生徒に肉体的苦痛を与えるようなもの(正座・直立等特定の姿勢を長時間にわたって保持させる等)に当たると判断された場合は、体罰に該当する」とされています。

3 浮気や不倫などの不貞行為が認定されるかどうかの境界線はあるのでしょうか?
→夫婦の一方は他方に対して守操義務があります。不貞行為とは「配偶者ある者が自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと」と定義しています。配偶者以外の者との性交があった証拠があれば原則アウトということになります。
風俗店や出会い系サイトなどで知り合った女性と「遊びと割りきって」性交をしても不貞にならないと誤解されている男性がたくさんいらっしゃいますが、判例は買春も不貞行為になると言っています。
しかし、先程の「配偶者ある者が自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと」という判例の定義について、「性的関係」を性交に限定するならば、風俗店で性交にいたらない性的サービスを受けただけでは不貞行為とまでは言えないことになります。ケースごとの具体的判断になると思います。健康状態等によっては配偶者から性的交渉を求められることが煩わしいこともあるでしょう。「妻から『私はしたくないんだよ。どうしてもがまんできないのなら風俗にでも行っといで!』と言われたので、仕方なく風俗に行っていました。」という説明を男性から受けたとき、これを直ちに不貞行為だと決めつけることにはためらう人が多いとます。
また、「配偶者以外の者と性的関係を結んだ」時期が、既に婚姻関係が破綻した後であった場合は、不貞行為にあたらないとされます。既に婚姻関係が形骸化しているときは「配偶者に対する裏切り行為」と呼べる実態がなくなるからです。ただ、裁判所は「婚姻関係が破綻していた」とはなかなか認めてくれません。家庭内別居状態くらいでは全然だめだろうと思います。

4 同様にセクハラはいかがでしょうか?
→セクハラになるかならないかの一線はとてもわかりづらいものです。何の悪気もなくてもセクハラをやってしまうことはあります。私のようないい年をしたおっさんが弁護士が女性弁護士の肩に手を置き、顔を近づけて話かけたりするとこれは間違いなくアウトですが、これと同じことを美青年の弁護士にされても案外ウェルカムかもしれません。こんな理不尽が許されてよいものかと女性弁護士に質問したところ、「そんなの当たり前ですよ!!」と一蹴されてしまいました。
ついやってしまうことがあるセクハラですが、いきなりアウトになることは少ないので、相手から拒絶された時に直ちに引きさがれば多くの場合はセーフでしょう。

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