連帯保証人でなければ支払い義務なし 子には夫の借金も相続されるので注意

Ｑ
私の夫は競馬、スロットなどのギャンブルを繰り返しており、ギャンブルのために借金もしています。私が何とか家計をやりくりしてきましたが限界を感じ、夫との離婚を考えています。離婚後、結婚中に夫がした借金はどうなりますか。私にも支払う義務がありますか。

Ａ
　夫がギャンブルのために夫の名前で借りた借金は、妻が連帯保証人等になっていない限り、たとえ結婚期間中の借金でも、妻には返済する義務はありません。他方で、妻が連帯保証人等になっている場合は、妻にも借金返済の義務があります。そして、この義務は夫婦が離婚しても消えるものではありません。

　また子どもがいる場合ですが、離婚後、妻が子どもの親権者となったとしても、子どもと夫（父親）の親子関係は続き、その子どもには夫（父親）が亡くなった際の相続権があります。そのため、夫が借金を残したまま亡くなった場合、子どもは夫（父親）の借金を相続する可能性があります。

　子どもが父親の借金を相続したくない場合には、家庭裁判所で相続放棄等の手続きをする必要があります。相続放棄等の手続きは、自己のために相続の開始があったことを知った時から３カ月という期間制限があります。また、たとえ３カ月以内でも、子どもが夫（父親）の遺産の一部を処分したときなどは「単純承認」をしたものとみなされ、借金も相続してしまうので、注意してください。

弁護士法人不二　的場真介法律事務所　今井佳奈先生

Profile―――
　福岡県出身。２００８年司法試験合格。０９年岡山県弁護士会登録。「離婚・相続、遺言作成、借金問題・交通事故・労働事件、刑事事件、その他広く取り扱っております。お困りのことがありましたら、お気軽にご相談下さい」

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