負の財産分与。調停から裁判へ。
Q
元妻の不倫が原因で1年半前に離婚致しました。
子供2人の親権は元妻です。
強制執行の文言の無い公正証書を交わしました。
内容は、
慰謝料350万
養育費500万
負の財産分与350万(既に家は売却済みで、700万程私が負債を抱えている状態です。家の購入時の連帯保証人には私の父と元妻の連名になっていました。)
詳細な支払期日は無く、各々負担していることを認める、みたいな書き方です。
離婚から1年後に元妻は再婚し子供2人は養子縁組したそうです。
再婚の前にこちらが離婚後の紛争調整の調停を起こして、最近再婚養子縁組の事実を調停にて知りました。
中々話がまとまらず、裁判に切り替えようか悩んでいます。
裁判した場合の気になる点は、
(1)
負の財産分与はしないという考えもあるようですが、公正証書で元妻も認めていて、公正証書作成後に売却出来て実際に700万のオーバーローンになっているのに、財産分与が0になってしまうのか?かなりこれが不安です。
(調停員からは、負の財産分与は無効ですとは言われていません。)
(2)
下の子供が不倫相手との子供である可能性が高い為、公正証書には上の子供だけで養育費500万としたが、
裁判によって子供2人分になったとしても、再婚養子縁組によって、子供2人の養育費はどれくらいになるのか?(養親の給料が月20万として。元妻達は今住んでいるアパートの家賃を元妻の両親に払ってもらっているそうなので、尚更生活に余裕が出来るのでは?)
(3)
調停員に慰謝料350万(元妻には口頭で、元妻に200万で不倫相手に150万を元妻に請求しますと伝えて了承をもらいこの金額になりました)は相場より多いと言われた。
元妻は私と婚姻中から専業主婦で、今も無職だそうです。
最悪どの程度減額されるのか?
(4)
裁判にて、元妻が負担する慰謝料と財産分与が確定したら、支払い方法はどのくらいの分割まで認められるのか?(現在月1万で50万しか払えないと言われています。私としては納得出来ないところです。)
私としては、強制執行の文言や連帯保証人をつけて頂きたく思っています。
どうか、アドバイスよろしくお願いいたします。
A
なんとも辛い経験をされましたね。
1 まず養育費の支払義務は子らが養子縁組をしたことにより休眠状態に入っています。したがって、支払義務はなくなっています。もっとも、もと妻があわてて離縁させれば、質問者様の養育費支払義務が復活するので、それまではという意味になります。(参考: http://bengoshihoujinfuji.cocolog-nifty.com/benngosihoujinfuji/2012/03/post-3ad9.html?optimized=0)
2 負の財産分与ももちろん可能です。質問者様が内部的負担部分を超えて支払った時は、もと妻に求償できることになります。ただ、債権者との関係では全部支払義務があり、あくまでもと妻との内部的な取り決めにすぎません。
3 一度合意された慰謝料額が一方的に減額されることはないと思います、あくまで減額の合意が前提でしょう.
4 裁判では一括払いを命じるのが原則です。分割払いの調停や和解をされるのは当事者の自由です。
「どのくらいの分割まで認められるのか」なんて法はありません。
5 「私としては納得出来ないところです。 私としては、強制執行の文言や連帯保証人をつけて頂きたく思っています。」
→納得できないと言っていれば、質問者様の意に反する調停や和解を裁判所が勝手に成立させることはないはずです。
調停の場合は公正証書の場合に必要な執行受諾文言は要らないはずです。調停で決めれば何でも強制執行可能というわけでもありませんが。連帯保証人のことはお願いしてみるという程度で、強制できることではありません。例えば、分割払いや減額に応じる交換条件として保証人を付けるよう交渉する形はあるでしょう。
6 質問者様の要求を実現するためには民事訴訟の方がすっきりするような気がしますが、事件を委任することも視野にいれて、弁護士にしっかりと相談されることをお勧めします。
回答がなかなか書きづらかったです。実は、質問文自体がかなり難解なのです。おそらく、公正証書、家事調停、民事裁判の機能の違いが踏まえられていないことに起因するわかりにくさのようにも感じられます。
事件がかなり進行していること、質問事項が多岐にわたることから、こういう場でのご質問では的確な回答が得られにくいかもしれません。
養育費の休眠状態についてはよくご検討ください。養育費を払わないことで、他の部分もある程度回収したというようには考えられませんか。
ではお大事に。
【お礼】
養育費が無しになって私が受け取る金額が多くなったとしても、その金額を元妻が払えないの一点張りで、調停での話し合いでは意味が無さそうです><もし裁判をしたら、再婚し無職のままの元妻に、どのような判決が言い渡されるのでしょうか。
下記の金額が限界だと主張する元妻に例えば200万を(一括で)支払えとなった場合、実際どうなるのか・・・。裁判で決まれば、強制執行の対象になるのでしょうか?
現在調停では月1万を60回払いが限界だと元妻から言われています。このまま私が同意しないと、審判無しの不調に終るそうです。
質問がわかりにくくてすみません><公正証書(強制執行の文言無し)が、今回の調停でこんなに無力なものかと感じています。その公正証書をもって裁判を起こしても大丈夫なのかなと感じています。
【お礼を読んで】
○もし裁判をしたら、再婚し無職のままの元妻に、どのような判決が言い渡されるのでしょうか。
→「被告は原告に対し金350万円およびこれに対する平成○年○月○日から支払済まで年5分の割合による金員を支払え」という判決になります。「元妻には口頭で、元妻に200万で不倫相手に150万を元妻に請求しますと伝えて了承をもらいこの金額になりました」は文章に乱れがありますが、いずれにしても内部的負担関係だけの問題のようです。
350万円×0.05÷12月=約14000円ですから、月1万円は遅延損害金に充当した場合、10年後には350万円の元金は丸々残っている計算になります。判決で確定された債権は10年間行使しないと時効にかかるので注意してください。10年経過前に同じ裁判をして判決を取り直すのも一法でしょう。
○現在調停では月1万を60回払いが限界だと元妻から言われています。このまま私が同意しないと、審判無しの不調に終るそうです。
→手続の選択を誤っているのです。「審判無しの不調に終る」のどこが悪いのですか。調停の本質は話し合いですから、その土俵ではいい結果にはならないでしょう。
○養育費の支払いを停止して、出血を止めましょう。考えようによっては事実上慰謝料の回収につながるではありませんか。
その上で、350万円の判決を取って、もと妻に月1万円ずつ事実上支払わせて、これを遅延損害金に充当していきながら、いずれ完全回収を目指すことになるでしょう。
○公正証書、調停、判決の機能の違いが理解できていない部分があるようです。無料法律相談でもいいですから、弁護士の相談を受けましょう。お大事に。
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