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2014年5月13日 (火)

単独親権者の死亡と未成年の子の親権

Q 離婚後、親権者として子を育てていた親が亡くなった場合、残された未成年の子の親権はどうなるのでしょうか。

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遺言で指定なければ親族などの請求で
裁判所が未成年後見人を選任

 離婚の際には、どちらかの親が子の親権者になりますが、親権者が死亡しても、親権者とならなかった親が親権者となるわけではありません。この場合、残された子は親権者のいない状態として、原則として後見が開始されることになります。

 親権者が亡くなる前に、遺言で子の後見人を指定していたときは、その指定された者が子の後見人となりますが、後見人が定まっていないときは、子や親族など利害関係人の請求によって裁判所が未成年後見人を選任することになります。ただ、実務上は存命の親が裁判所に親権変更の申し立てをすることによって、その者が親権者となる旨の扱いをしています。

死亡した親の親族が引き取る場合は
裁判所に親権者変更の申し立て

 例えば親権者が母親で、母方の祖父母が子を引き取って育てたいというケースでは、母親が死亡しても、親権者ではない父親は当然に子どもの引き渡しを求めることはできず、まず裁判所に対し親権者変更を申し立てます。裁判所は、子を養育している母方の祖父母の意向を調査します。その結果、祖父母が父親を親権者としてもよいとし、父親による養育が子の福祉を害するものでなければ、親権者を亡き母親から父親に変更する審判がされます。そして、親権者となった父親は祖父母に対し子の引き渡しを求めることができるようになります。

 これに対し、祖父母がこれからも自分達が育てたいとの意向をもつ場合は、祖父母のどちらかを未成年後見人と指定されるよう求めることが必要です。

引き取る者の養育状況や環境を考慮し
子の福祉に最適な者を親権者や後見人に

 裁判所は、祖父母による現在の養育状況や子と父親の交流状況、父親が引き取った時の環境などを考え合わせ、父親と祖父母いずれのもとで養育されるのが子の福祉に適うのかを調査し、いずれかを親権者または未成年後見人と定めます。

 祖父母の一方が未成年後見人に選任された場合、父親が子の引き渡しを求めることはできないことになります。


東川芳美先生
弁護士法人不二 的場真介法律事務所 東川芳美先生

Profile―――
 奈良県奈良市出身。京都大学法学部卒業。京都大学法科大学院修了。2009年弁護士登録。民事、家事を中心に多様な事件を取り扱う。「迅速かつ丁寧な仕事を心がけています。お気軽にご相談ください」

弁護士法人不二 的場真介法律事務所 岡山支店
岡山市北区富田町2-13-12 コートサイドビル5階
TEL.086-238-6010


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