契約や法令に用いる慣用的表現
Q
「前各号の一につき」 これは正しい言葉でしょうか?
現在翻訳をしているのですが、日本語の解釈に躓いて困っています。
この日本語が契約書のなかでは正しいものなのか、間違っているとしたらどういう意味で書いたのか解説を頂きたいと思っています。
文章は下記のような感じです。
1 ...........................................................................................................................................
2 本契約において「秘密情報」とは、次の各号に記載した情報を言う。
(1).......................................................
(2)........................................................
(3)...........................................................
(4)............................................................
(5)前各号の一につき、本契約を前提として、本契約締結前に提示された情報
質問はこの「前各号の一につき、」の部分です。
この契約書を見るまで、「各号」の意味すら知らず、その後「各号の一」という言葉を知ったのですが、
自分は何個か例文を読んだ後、「各号の一」という言葉が「どれか一つでも当てはまるなら」という意味だと解釈しました。
しかし、これを直接当てはめると、「前の号のどれかに当てはまるなら、につき」となってしまいます。
もしかして、これを書いた人は、「前各号の一であり、」と書きたかったのかと邪推したのですが、
如何せん自分も法律にはさっぱりなので、確証がもてません。
オマケに前各号とはここでは(4)のことを指しているのか、それとも2全体(5を除く)を指しているのか、それとも1を指しているのが、素人では解釈が取れすぎて分かりません。
何分契約書なので、適当なことを書くことも出来ず、下っ端ゆえに送られてきた書類に質問を返すことさえ許されていません。
法律単語に詳しい方どうか、回答よろしくおねがいします。
A
○「前各号の一につき」の「前各号」は、この場合は(1)~(4)の各号を指しています。
したがって、「前各号の一につき」の意味は、「前の(1)~(4)の各号のいずれかに関して」の意味です。
(1)~(4)の各号に該当する情報は、この契約による秘密保護を受けることは明らかですが、(5)号は本契約締結前の折衝の段階で開示された(1)~(4)の各号の関連情報にもこの契約による保護を拡張する趣旨のようです。
○ちなみに、(5)号から見て、
(4)号は「前号」
(3)及び(4)号は合わせて「前二号」
(1)号は「前(1)号」
1は「前項」
と呼ぶことになるでしょうね。
○契約や法令に用いる慣用的表現にはこのようなわかりにくいものが少なくないです。
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