離婚調停中に家が競売?、、、。
Q
自営業の主人と結婚5年目、別居5か月。
1度目の離婚調停をしてから1円もお金を入れてくれなくなりました。
お互いの主張が食い違って腹を立ててるのだと思ってました。
このまま続くならせめて養育費と、会社の役員になってるので役員報酬は
もらう事ができるんじゃないかと言うつもりでいました。
数日経ったある日、ポストに主人からの手紙があり、税務署から会社口座のお金を
差押さえされ来年早々今私と子供が住んでいるマンションも競売にかけられる、
会社名義の物はもちろんすべて取られ、家族にも1600万程の借金が掛かってくる、
だから早めに離婚届に判押してこのマンションから出て行けと、、、。
急な話で混乱してます。ウソではないのは税務署の手紙のコピー裏に書いてあったから。
ただ、未払い分がいくらあるのかが私はわからないので、大袈裟に言ってるのか
そういう風に言えば1円も払わず離婚でき自分はこのマンションに帰ってこれるとだまそうと
しているのか、、、。
知り合いに聞くと現金商売は倒産はないと言われました。
競売に掛けられるというのはいつからですとか連絡ってくるんでしょうか?
家族にもくるという事は私個人の口座のお金や電化製品や売れる物等一切合切取られるんでしょうか?
経営にはまったく関わっていないので滞納額がわかりません。
主人にしてみれば1円も払わず私たちを追い出し元の家に戻って少しずつ滞納分を
納めていけば1番いいと思ってるような気がしてしょうがないんですが。
なにか私が動いた方がいい事や離婚しないで回避する方法やアドバイスお願いします。
A
○質問者様の質問文に含まれている情報だけでは、夫の話が嘘か本当かを判断しにくく、さりとて、このような誰が見ているかもわからない掲示板にそれ以上の機微にわたる情報を不用意に書き込むべきではありません。結論としては、経験豊富な弁護士に調査検討をしていただいた上で対策を組み立てましょうということになります。
しかし、それだけ申したのではあまりに芸がないので、質問者様の手がかりになりそうなことを書いてみます。情報が圧倒的に足らない中での発言ですから、その点はご容赦ください。
○「来年早々今私と子供が住んでいるマンションも競売にかけられる」
↓
えらく具体的に競売にかけられる時期が書かれていますね。至急マンションの登記簿謄本を取ってみてください。税金か住宅ローンの差押登記がありますか。無ければ、ちょっと怪しい話かもしれません。
○私ならどんな措置をとっていくかと考えると、
(1)まず、登記簿謄本と評価証明を取得して、マンションが会社名義なのか、夫名義なのか、夫婦共有名義なのか確認します。
(2)住宅ローンの抵当権がついているかどうかを確認します。住宅ローンの残高がどのくらいあるかの見当をつけます
(3)マンションの通常の評価額などの情報を集めます。知り合いの不動産業者に問い合わせると、不動産業者だけが閲覧できる成約事例のデータベースで調べてくれるでしょう。
↓
オーバーローン(住宅ローンの方がマンションの価値より多い)の場合は税金がマンションに手を出すことは難しいのです。
以上が基礎的な調査ということになります。しかし、おそらくこれだけでは確信を得ることはできないと思います。
○そういう場合は、私は「威力偵察」を質問者様に指示すると思います。「威力偵察」とは軽く相手を攻撃してみることです。塹壕の中に潜んでいた敵があわてて動くので、その布陣を知ることができます。
この場合は、「こういうことを質問してきなさい。必ず録音して、持ってくるように。わかってるだろうけど隠し録りだよ。」と具体的に指示します。夫が上手に嘘をつくとさらに騙されることもありますが、ダメで元々、ウジウジと考えているだけでは何の進展もないと考えることが多いです。夫が嘘をついたらついたで、情報量が増えることによって、情報の真贋を見抜ける可能性が増すことになります。
○競売に掛けられるというのはいつからですとか連絡ってくるんでしょうか?
↓
質問者様の名義が全くなければ、裁判所からの通知は来ません。弁護士等であれば、差押登記の有無を確認し、裁判所に問い合わせたり、裁判所の競売情報に注意を払うでしょう。もっとも、執行官が現況調査に来たりするでしょうから、最後まで居住者が全くわからないということはないと思います。
○家族にもくるという事は私個人の口座のお金や電化製品や売れる物等一切合切取られるんでしょうか?
↓
質問者様は名目だけにせよ会社の役員になっているようですが、会社の保証人にさえなっていなければ個人の預貯金までいかれてしまうという事態は少ないでしょう。それだけに会社債務を保証しているかどうかをしっかり確認しましょう。言われるままに書類にサインしたり、夫に印鑑を貸したことは本当に絶対になかったでしょうか?
「電化製品や売れる物等」がどうなるかは、家財道具などには一般に思われているほど価値がないですから、何ともいえません。夫のものでないものは残る可能性も大きいです。
○情報の真贋を見極めることが何より大切です。質問者様が心配されているとおり、変な駆け引きをされる夫もいますからね。他方、離婚をめぐるトラブルは夫の心身をもむしばむほど強烈な場合があります。職業生活が続けられないほど精神を病んでしまうこともあり、妻に莫大な住宅ローンが残るマンションに居座られて生活が破綻してしまい、婚姻費用の支払いを滞らせるか、住宅ローンの支払いを滞らせるかの苦しい二者択一を余儀なくされた例もあります。
夫にも、別れた後も元気に働いてもらって末長く養育費を払っていただかなければならないことも多いのです。別れた後の配偶者の幸福を願うくらいの健全な精神が、ご自身の幸福も呼び寄せることになると思います。
○というようなことでお茶を濁して退散することにします。ではお大事に。
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