当事者同士の協議でまとまらなければ 過去の養育費も含め家裁で審判を
Q
1年前に夫と離婚し、5歳の息子の親権者は私になりました。離婚の際、養育費の話も出たのですが、うやむやに終わってしまいました。ただ今後のことも考え、これまでの分も含めて、別れた夫にきちんと養育費を支払ってもらいたいと考えています。どうしたらよいでしょうか。
A
まずは、別れたご主人と協議をしてみてください。当事者同士で話がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停か審判を申し立てるとよいでしょう(審判を申し立てた場合、裁判所の判断で調停にされることがあります)。
調停は話し合いの手続きです。調停で別れたご主人と合意できれば、裁判所が調書を作成してくれます。仮に、調停で合意に至らなくても審判に移行し、裁判所が別れたご主人やあなたの収入、お子さんの人数・年齢等を踏まえて、養育費の額を決めてくれます。
問題は、過去1年分の養育費も含めた請求が認められるかです。別れたご主人が過去1年分も支払うと言ってくれればいいのですが、別れたご主人が応じない場合は問題になります。過去には、審判・調停の申し立て以前の分の養育費の支払いを命じたケースもあります。ただ、裁判所は基本的には請求時から、つまり調停や審判を申し立てた月の分からの支払いを認めるという立場です。
養育費を支払ってもらえていない場合には、調停や審判を申し立てるなどして、早めに別れたご主人に請求するとよいでしょう。
弁護士法人不二 的場真介法律事務所 今井佳奈先生
Profile―――
福岡県出身。2008年司法試験合格。09年岡山県弁護士会登録。「離婚・相続、遺言作成、借金問題・交通事故・労働事件、刑事事件、その他広く取り扱っております。お困りのことがありましたら、お気軽にご相談下さい」
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