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2013年9月 2日 (月)

裁判所の特別送達に、不在を理由に無視を続ける場合

Q
概要
民事訴訟が提起されると、裁判所は被告に対して特別送達を送って、裁判に応じるように求めますが、この特別送達に対して、不在を続けた場合(特別送達の受取拒否ではなく、不在であることに注意)はどうなるのでしょうか?
欠席裁判で原告のの希望通りの判決でしょうか?
それとも存在しない被告を相手に訴訟は起こせない、という事で、訴えを退けられるでしょうか?


詳細
とある企業を相手取って訴訟を起こしたいのですが、その相手の登記簿上の本社住所が、いわゆるバーチャルオフィスとなっています。バーチャルオフィス会社の社員はいることはいるのですが、普通郵便、書留郵便は代理で受け取りますが、内容証明郵便や、裁判所の特別送達などは
「その会社の人は現在不在ですので、受け取れません。わたくし共はあくまで代理で郵便受取や電話受付代行をしているにすぎないので。。。」
と交わして、受け取りません。
ここでポイントなのは、宛先の会社のものに成り代わって受け取り拒否するのではなく、
「あくまで私は留守番ですのでその会社の社員や代表者に代わって受取拒否の意志表明はできません。その会社の社員が現在不在であるので不在票の受け取りならいたします。」
という対応をすることです。
不在票の投函なら受け付けます。という論理を使って、内容証明郵便や、特別送達の受け取りをしないのです。
(もう一度言いますが、受取拒否ではなく不在という理由で不在票のポスト投函なら認める、というところがポイント)
内容証明郵便や特別送達の受け取り拒否は受け取ったことと同等とみなされるので、裁判所が送った送達を、知っていながら無視した、ということで欠席裁判が始まってしまいますが、不在の場合はそうは行きません。
(バーチャルオフィス会社やそこを契約した利用会社がそういう手口と知っていながらやっているかどうかは定かではありませんが、バーチャルオフィス会社も利用者も双方ともあまりお行儀のよい会社とは言えないでしょう)
ちなみにそのバーチャルオフィス会社の利用者に内容証明郵便や、特別送達を送った郵便配達員に直接きいたことですが、数ヶ月経過してからバーチャルオフィス会社から、
「何ヶ月待っても不在のままです」
ということが言い渡され、差し出し人に戻したそうです。


このように登記簿上の会社住所に特別送達を送っても不在という扱いにされ続けた場合はどうなるのでしょうか?
登記簿の不実記載をする方が悪い、いうことになって欠席裁判が始まるのでしょうか?
ご存知の通り、登記簿には代表者住所が載っていますが、宛先を変えて代表者住所に送り直すことになるのでしょうか?
その場合、被告は企業ではなく会社代表者個人ということになってしまうのでしょうか?

ネットかどこかでちらりと見た時に、
「特別送達を送っても不在の状態が続くと裁判所から原告に対し、
相手の企業が登記簿の住所に存在することを証明せよ、
と要求されるらしい」
というようなことが書いてあったようですが、その場合はどうすればいいのでしょうか?
登記簿はすでに訴訟を提起した時点で提出していますし、あとはその会社の名刺や会社案内や会社ホームページ印刷物を提出して、その会社の住所が登記簿通りであることを主張したり、内容証明郵便や、特別送達を不在を理由に受け取らないなら、書留郵便の配達証明を出すとか、バーチャルオフィスを訪問して
「ここは●●株式会社が入居しているフロアですよね。社員の方をお願いします」
と受付嬢とやり取りしているビデオ映像でも見せればいいのでしょうか?

詳しい方、お願いします。

A
まず、リンクした文書をご覧ください。これは岡山の裁判所で使っている書式です。ここに列記してあるのが、書面が不送達で戻ってきた場合の対処方法が並んでいます。この中から状況にあったものを選んで対処することになります。
会社を相手にしている場合ですから、会社あてに特別送達した書面が戻ってきた場合は、代表者の住所あてに送達してもらうことを考えるのが簡単ですね。
その会社について調べて、日曜日とか夜とかには事務所が開いているとかいうのであれば、休日送達とか、夜間送達などを上申することになると思われます。
バーチャルオフィスであることがはっきりしているのでれば、そのことについての調査報告書を付けて「書留郵便に付する送達」を上申したらいいと思います。
書留郵便等に付する送達(民事訴訟法107条1項 名宛人あて送達に不奏功の場合、民事訴訟法の所定の要件を満たすと裁判所書記官が判断したとき に実施し、書留郵便または民間信書便によって発送したときに送達完了とみなす方式。実際に名宛人が受領したかどうかは問わず、送達機関は発送した裁判所書記官となるというものです。
調査報告書には、「いつ誰が会社住所の現地を訪問したところ、そこは○○という屋号のバーチャルオフィスでした。バーチャルオフィスの事務所の受け付けで会社名を言って当該会社の人と話がしたいと申し入れたところ『・・・』という答えで、会社がバーチャルオフィス契約をしていることがわかりました。書留郵便の場合不在票を預かって本人に渡すことになるということです。」と言ったことを書き、バーチャルオフィスの営業所の看板の写真とかホームページや広告チラシなどを添付しておかれたらいいかなと思います。
バーチャルオフィスの住所を会社の本店所在地として登記しているのですから、そこに書留郵便に付する送達をされても文句は言えないと思います。
回答者は岡山市なのですが、時に東京などの遠隔地で不送達ということが起こり、現地調査に行くのが大変ということがあります。そういう場合にはGoogleのストリートビューを使って現地を見ます。そうすると、時にマンションの管理会社などの入居者募集看板や隣の店舗の看板などが写っていることがあります。そこに電話をかけて、現地の様子を問い合わせることをします。その電話の内容を電話聴取書にまとめ、ストリートビューの画像や住宅地図などと一緒に提出することも考えられます。管理会社は入居者のことをわりと教えてくれるようです。
執行官送達の申し立てをするのも有効です。執行官が現地に行って送達を試みてくれますので、その報告によって現地の状況が裁判所に明らかになることもいくらか期待できます。
公示送達というのは、そのバーチャルオフィスに会社が登記され存在する以上はできないように思います。
私は送達については知ったかぶりせずに、謙虚に書記官さんに尋ねるのが一番だと思っています。
大変ですががんばってください。

http://www.google.com/url?q=http://www.courts.go.jp/okayama/vcms_lf/20202027.pdf&sa=U&ei=x20hUuBNy9-SBdv3gKgC&ved=0CA0QFjAB&usg=AFQjCNHv2wDIhhZ9HUueSIHbIj8kPCrPcA

【追加回答】
○このように登記簿上の会社住所に特別送達を送っても不在という扱いにされ続けた場合はどうなるのでしょうか? 登記簿の不実記載をする方が悪い、いうことになって欠席裁判が始まるのでしょうか?
→だから「書留郵便に付する送達」をすると、それでも口頭弁論に出頭しなければ、擬制自白が働いて欠席判決になる場合が多いです。この点、擬制自白がない公示送達の場合とは違います。

○登記簿には代表者住所が載っていますが、宛先を変えて代表者住所に送り直すことになるのでしょうか?
→まずはそれを試してみるのではないかと思いますよ。

その場合、被告は企業ではなく会社代表者個人ということになってしまうのでしょうか?
→単なる送達場所だけの問題なので、被告はあくまで会社です。

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