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2013年8月11日 (日)

子供に面会できない慰謝料について

Q、どなたか、慰謝料についておしえてください。
 元妻と4年前に離婚しました。私が嘘をよくつき精神的な苦痛を与えたという事で慰謝料を払いました。当時、0才と3才の子供がいましたが2月の半ば頃に突然離婚してと言われ、子供を連れて実家に帰ってしまいました。その間、私は子供に会いたいので会わせてくれないかとメールや電話をしましたが全く取り合ってもらえず、離婚が成立するまで会わせられないといわれました。
 今も、あの当時を思うと残念で仕方ありません。その思いを慰謝料という形で請求したいのですが、離婚が成立してしまった今、難しいことなのでしょうか?また、慰謝料はとれるでしょうか?
 ちなみに子供は二人とも元妻が引き取りました。

A ○元妻と4年前に離婚しました。
→貴殿の辛いお気持ちはよく理解できます。
しかし、離婚成立後4年も経っていますから、不法行為の3年の時効を援用されたらあなたは簡単に負けるでしょう。また、あなたに慰謝料を払わされるような状態があると、会わせないことについての正当理由が認定されてしまう可能性があるかもしれません。当時子との面会交流の調停、履行勧告、間接強制、独立した慰謝料といった通常の法的な手順を尽くしていなくて、今になって唐突に慰謝料請求をされるということも合点がいきません。何よりも離婚成立後、面会交流ができている場合に過去の紛争を蒸し返すと、現在の面会交流に支障が出かねません。
以上の通りであり、貴殿の言われている方法は有害無益のように思えます。
○ただし、現在も会わせてもらってないという場合は、(1)子との面会交流の調停、(2)履行勧告、(3)間接強制、(4)独立した慰謝料といった法的な手順を粘り強く踏んでいくことが必要です。少し長くなりますが、この機会に少しまとめて説明しておきます。
(1)の調停が成立しても会わせない場合は(2)に進みます。それでも会わせない場合は(3)に進みます。(3)ではうまくすると面会不履行1回について養育費と同じくらいの損害賠償を支払うように命じてもらえます。しかし、調停調書の合意内容が具体的でないと「この条項では間接強制の債務名義になりません」とか裁判所に言われることもあるでしょう。その場合はあせらずに(1)からやり直してください。「裁判所が関与して調停調書を作ってもらったのに何事だ!」と短気を起こさないように。そして、(2)(3)の手順を踏みます。(2)の履行勧告は何回か繰り返すといいですね。その都度、家裁調査官が子供の意向確認や説得などをしてくれます。
そういった手順をきちんと尽くして、子供も会いたがっており、貴殿も紳士的な対応をしているのに、まだ会わさないということになると(4)に進むことができる場合があります。
(2)の履行勧告を3回くらい重ねても元妻が会わさないような場合、元妻が腰を抜かすよう高額の慰謝料が認容される場合もあります。(静岡地裁浜松支部平成11年12月21日判決は500万円を認容しています。こんな判決を出されたら、元妻も面会交流を認めないわけにいかないでしょうね。 )
以上はあくまで子自身が面会交流を嫌がっていないことが大前提です。不十分ながらも会える機会があったら、子自身が次回の面会交流を心待ちにするような充実した時間にしてあげることが肝要です。せっかくの機会に、グダグダ小言をいったり、元妻の悪口を聞かせたりするのは最悪です。
○私の頭の中を整理しておきたかったこともあって、少し長文になってしまいました。では、お大事に。

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