裁判上の離婚原因

Q　夫の両親との関係がうまくいかず、精神的に疲れ離婚を考えています。夫は暴力や浮気もなく良くしてくれているのですが、離婚できるでしょうか。

A　婚姻した夫婦の一方が離婚したい場合、夫婦の話し合いで離婚に応じてくれるのであれば、離婚届にサインして提出すれば離婚できますが、話し合いで離婚に応じてくれない場合、家庭裁判所に離婚調停を申し立てる必要があります。調停というのは、調停委員が夫と妻双方から交互に話を聞き、話し合いによって解決する手続きで、１カ月に１回くらいのペースで行われます。調停のなかで、相手が離婚に応じてくれれば離婚できますが、相手が応じなければ調停は不成立となり、次に離婚裁判を起こす必要があります。

　離婚裁判の場合、配偶者の不貞（浮気）、悪意の遺棄（例／正当な理由なく同居を拒否し、生活費を渡さない場合）、配偶者が３年以上生死不明、配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがない、婚姻を継続しがたい重大な事由がある（例／夫の暴力がある、長期間別居している）―などの場合でなければ離婚は認められません。

　ご質問の方の場合、夫の両親とは不仲でも夫との関係は今のところ良好のようですので、いま離婚裁判をしても離婚が認められない可能性があります。ただし今後、夫の両親との不仲が原因で夫婦関係まで悪化し、長期間の別居に至った場合などには、離婚が認められる可能性はあるでしょう。一度、弁護士にご相談ください。


今井佳奈先生
弁護士法人不二　的場真介法律事務所　今井佳奈先生

Profile―――
　福岡県出身。２００８年司法試験合格。０９年岡山県弁護士会登録。「離婚・相続、遺言作成、借金問題・交通事故・労働事件、刑事事件、その他広く取り扱っております。お困りのことがありましたら、お気軽にご相談下さい」

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