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2013年1月 4日 (金)

未婚のまま産んだ子と父親との法的関係

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Q 女性が訳あって未婚のまま子を産んだ場合、その子と父親との間に扶養や相続は発生するのでしょうか。

認知を受けた子か否かで法的な関係に

A 結婚していない男女間に生まれた子を、法的には嫡出でない子「非嫡出子」といいます。非嫡出子と父親との法的な親子関係は、父親の認知を受けることで初めて発生し、父親の認知を受けていないと法的な親子関係はないものとして扱われ、扶養や相続関係は生じません。つまり、認知をしていない子に対して父親が養育費を支払う法的義務はなく、子が父親の財産を相続する権利もないことになります。

訴えを起こせば認知は強制できる

 父親としての責任を取らせるためには、父親に子を認知させることが必要となります。もし父親が認知を拒否する場合は、裁判所に訴えを起こして認知を強制することができます。認知を請求する訴えに期間の制限はありませんが、父親が死亡した場合は死亡日から3年以内でなければ認知を請求する権利は失われてしまいます。この認知請求権は放棄できないので、たとえ手切れ金を受け取り将来認知を強制しないと約束していても、その約束は無効となります。

父親の認知受けていても
非嫡出子の相続分は嫡出子の半分

 これまで認知の重要性について説明しましたが、法律では子が父親の認知を受けていても、結婚している男女間に生まれた子(嫡出子)と同じ扱いを認めているわけではありません。特に父親が亡くなった時の相続において、非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1と決められています。これは差別であり、憲法違反だとの批判を受けているところではありますが、現段階では法律は改正されていません。
 また婚姻外で生まれた子も、認知されていれば後でその子の父親と母親が正式な夫婦となれば、婚姻の時から嫡出子になります。なお認知せずに父親と母親が正式な夫婦となり、その後に認知した場合も同様です。これを「準正」といい、嫡出子として相続の際に不平等に扱われることがなくなる意味を持ちます。


東川芳美先生
弁護士法人不二 的場真介法律事務所 東川芳美先生

Profile―――
 奈良県奈良市出身。京都大学法学部卒業。京都大学法科大学院修了。2009年弁護士登録。民事、家事を中心に多様な事件を取り扱う。「迅速かつ丁寧な仕事を心がけています。お気軽にご相談ください」

弁護士法人不二 的場真介法律事務所 岡山支店
岡山市北区富田町2-13-12 コートサイドビル5階
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