結婚予定の彼から婚約破棄の申し出 正当な理由なければ損害賠償請求できる

結婚予定の彼から婚約破棄の申し出 正当な理由なければ損害賠償請求できる

Ｑ　私は、交際していた彼と結婚することになり、結婚式場も押さえ、式の招待状も発送しました。ところが先日、彼から「結婚できない」と言われ破談になりました。彼に対して、金銭的な請求をすることはできますか。

Ａ　男女の交際関係の解消は自由ですが、結婚の約束（婚約）をしていた場合に「正当な理由なく」結婚の約束を破棄すれば、損害賠償責任が生じます。
　例えば、婚約中にあなたが別の男性と関係を持ったことを理由に、彼が結婚を断った場合は、正当な理由があると言えるでしょう。反対に、彼が「他に好きな人ができた」「性格的に君とは合わない」等を理由に婚約を破棄したのであれば、正当な理由があるとは言えないでしょう。
　正当な理由なく婚約を破棄された場合、相手に対して慰謝料、結婚式場のキャンセル料、式の準備費用等の損害賠償を請求できます。慰謝料額は、破棄の時期・理由等によって異なります。
　なお、婚約には特別な手続きは必要ではなく、将来夫婦になるという合意があれば口約束でも成立します。ただ、交際している男女間で「結婚しよう」という話をするのはよくあることで、それだけでは法律的に「婚約」とは認められない場合もあります。婚約成立を裏付ける事情として、婚約指輪をもらった、両親への挨拶、結納、式場の予約等が考えられます。あなたの場合は、結婚式場も押さえ、招待状も送付済みということですので、婚約が成立していたと言えるでしょう。

弁護士法人不二　的場真介法律事務所　今井佳奈先生

Profile―――
　福岡県出身。２００８年司法試験合格。０９年岡山県弁護士会登録。「離婚・相続、遺言作成、借金問題・交通事故・労働事件、刑事事件、その他広く取り扱っております。お困りのことがありましたら、お気軽にご相談下さい」

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