相続債務

■質問

父が昨年亡くなり相続人は兄・私・弟の三人です。兄は２７年前、父名義で銀行から土地を担保に3億借入連帯保証人になっています。弟も２５年前、同じく父名義で銀行から土地を担保に3億借入連帯保証人になっています。私には担保に入れていない土地をのこしてくれました。銀行から土地の評価額が下がったので私の土地も担保に入れるよう入れなければ仮差押さえをする言ってきました。父が亡くなるまで２０数年の間、銀行からの借入は兄・弟が返済してきました。社会的にみれば兄・弟の借財であり銀行も追加担保をとらずにきた責任等は問えないのですか
尚、土地は根抵当権です。私の相続債務は３分の１ですが相続した土地は評価額で言うと２０分の１です兄弟間も最悪です。相続した土地を守れる方法がないでしょうかお願いします。

■回答

○「社会的にみれば兄・弟の借財であり銀行も追加担保をとらずにきた責任等は問えないのですか」
→こんなところでそんなことをのんびり言っている場合ではありません。詳しい資料を持って地元の経験豊富な弁護士にすぐ相談（依頼）してください。
力のある弁護士でも詳しい資料をよく検討しないとまともなアドバイスにはなりません。相続税申告が必要なケースではないかと思いますので相続税申告書の控えや遺言書、遺産分割協議書などの関連資料（負債の残高も正確に知りたいわけです。）を税理士さんから受け取って持参されることがぜひ必要です。遺産全体の構成・金額、相続した負債とのバランス、兄弟の資産状態などを見て慎重に判断することが必要です。

○相続財産の負債は法定相続分に応じて各相続人が負担することになります。
被相続人（お父さん）のお考えでは、お兄さんや弟さんのための借金は、彼らが相続することになる不動産担保と彼らの個人保証によってカバーされるはずだから、あなたには迷惑はかからないはずだと判断されていたわけですが、一旦担保不足が生じれば、銀行はあなたが相続した財産も担保に差し出せとそれは言いますわな。
まずは、いったいどのくらいの担保不足を生じているのか（債務残高と担保不動産の価値）を正確に知る必要があります。兄と弟の両方がそうなっているのか片方だけなのか。
担保不足を生じた債務の連帯保証人の他の財産や収入から先に担保に差し出すことは考えられないのか。また、彼らは、今後も正常な弁済を継続していける見通しがどれだけあるのか。彼らが経営している会社等の支払能力も含めてできるだけ正確に判断したいところです。
不動産以外の現金・預金・証券がどこにどれだけあるのかによっても対処方法が変わってくるかも知れません。

○最悪あなたが担保提供に応じざるをえない場合に、最終的な被害をどこまで抑えることができるか。言い換えると、万一担保を実行された場合の求償権について兄弟から有効な担保保証を取り付けることはできないか。考えておくべきことは多いと思います。

○実質的なアドバイスをするにはあまりにも情報不足です。すぐに信頼できる地元の弁護士に相談してください。無料法律相談や30分5000円の一回限りの法律相談くらいではどうにもならんですよ。たぶんね。

○ではお大事に。

■このQ＆Aは、的場が、｢bengofuji｣のペンネームで｢@nifty教えて広場｣に回答した記事を、個人的にコレクションしているものです。また、質問部分については、長いすぎるものや質問者を特定する手がかりになりそうな記載は適宜短縮等しております。