契約満了に伴う退去と更新手数料
■質問
今一人暮らしで賃貸に住んでおります。
5月22日に契約満了になるタイミングでの引越しを検討しているのですが、
現在まだ不動産屋側には連絡をおこなっておりません。
(3月頭に先方から契約更新のお知らせとして、「満了日を以て期間満了となり
賃貸借契約は自動更新されます」との連絡はいただいております。)
また、解約申し入れの取り決めを確認したところ
・賃貸借期間中であっても、甲は正当な事由がある場合には6ヶ月前の予告をもって、乙は2ヶ月前の予告をもってそれぞれ本契約の解約を申し入れることができる。この場合予告期間の満了と同時に本契約は終了する。
・乙は第1項の予告にかえ、賃料等の2ヶ月分相当額を支払って、即時解約することができる。乙が第1項の予告期間に満たない予告をした場合において、不足期間に相当する賃料等を支払ったときも同様とする。
との記載がありました。
この場合の疑問なのですが、今から解約の届けを行った場合
更新料は発生するのでしょうか?(2ヶ月に満たない予告での解約のため)
それとも、契約満了のタイミングの退去であれば発生しないのでしょうか?
また素人考えですが、予告に必要な2ヶ月分の家賃が発生する場合
2ヶ月分(5月・6月分)家賃+更新料1か月分 を支払うより
即時解約申し立てによる2ヶ月分家賃 を支払う方が得かと思うのですが、
これは正しいでしょうか?
長文にて大変恐縮ですが、
アドバイスいただけますと幸いです。
■回答
○「2ヶ月分(5月・6月分)家賃+更新料1か月分を支払うより、即時解約申し立てによる2ヶ月分家賃を支払う方が得かと思うのですが、これは正しいでしょうか?」とのあなたのご質問については、「間違いではない」と思います。ぐずぐず迷わずに解約の意思表示をして交渉に入ればよろしいと思います。
ただ、その主張に対しては、家主側からは、「契約期間満了の2か月前までに借主が更新拒絶しなかったために自動更新されること、すなわち更新料が発生することが確定したのだから、家主には、2か月の解約予告のための賃料の外に更新料も請求する権利がある」という反論が出てくるかもしれません。
しかし、そもそもこの賃貸契約書は2か月の解約予告のための賃料を支払うことで、即時の契約終了を創設的に認めたのだから、即時解約があると契約の自動更新は起こる前に契約は終了してしまう。したがって更新料の発生もない」という再反論もできます。(私はこの立場です。)
「期間満了までに退去を完了する。」のであれば、この考え方で押しきれると思いますが、支払った2か月分の家賃に相当する期間一杯は住みたいとかあなたが言われるようだと、家主側からは「期間満了後にも使用継続があるのなら、自動更新が起こったと同じように考えていいはずだから、更新料もよこせ。」という再再反論もあり、それは通りそうに思います。
さて裁判所はどう裁くでしょうね。
○また、これに対しては、更新料という慣行に慣れていない日本の西半分の弁護士は、「更新料などという家主の都合に偏した条項は、消費者契約法にも反し、そもそも違法だから認められん。」と言うかもしれません。現に、関西の裁判所では更新料の定めを無効とした判決例もでています。
○私は、ぐずぐず迷わずに解約の意思表示をして交渉に入ればよろしいと思います。別にそうしたからといって、あなたが、何かを新たに失うわけではないからです。交渉を尽くし、あるいは裁判までやってみても、それでもあなたの主張が認められなかったとしても、その時は納得して払えるでしょう。法律上の争いには、やってみないとわからないものも多くあるのですよ。
■このQ&Aは、的場が、「bengofuji」のペンネームで「@nifty教えて広場」に回答した記事を、個人的にコレクションしているものです。また、質問部分については、長いすぎるものや質問者を特定する手がかりになりそうな記載は適宜短縮等しております。
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