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2012年3月12日 (月)

離婚に向けての別居と子どもをめぐる問題【レディア】

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 テーマ「離婚に向けての別居と子どもをめぐる問題」

1  未成年の子どもがいる夫婦が離婚する際,夫婦で十分な話合いをせずに一方が子どもを連れて別居し,争いが深刻化するケースも少なくありません。

2  夫婦の話合いで,別居中子どもをどちらが育てるのか決めるのが最良ですが,話合いが難しくとも,別居した相手から実力で子どもを連れ戻すと,未成年者略取誘拐罪に問われる場合があります。連戻しの目的や態様によっては犯罪とならない場合もありますが,子どもを紛争に巻き込むことになりかねませんので,実力での連戻しは避けるべきです。

3  話合いで解決できない場合,早期に子どもの環境を整えるためにも早めに法的な制度を利用しましょう。
  別居した相手のもとに子どもがいる場合,家庭裁判所へ監護者指定と子どもの引渡しを求める調停または審判を申し立てます。暴力を振るう夫が子を連れ去ったような緊急性の高い時は,審判前の保全処分も申し立てます。
  
4  子どもの引渡しは母親有利か
   子どもの引渡を認めるかどうかは,父母や子どもの事情など様々な考慮要素をふまえ,両親のどちらが子どもを育てるほうが子の福祉に適うかとの観点から判断されますが,特に乳幼児の発達には母性的なかかわりが不可欠と考えられています。
   現実には母親が母性的な役割を果たしているケースが多いため,子どもが乳幼児の場合,母親有利になりがちではあります。しかし,父親が母性的な役割を果たしていたり,祖母など補助者がいれば,母性的な役割を父親が果たしているとして父親に有利となることもあります。

5  別居中の面接交渉
   夫婦の別居中子どもと暮らしていない親も,子どもと交流する権利(面接交渉権)がありますが,その交流が子の利益,福祉を害する場合,交流を制限されることもあります。
   日本では,祖父母に面接交渉権は認められていませんが,両親が祖父母の面接交渉に同意した場合,面接交渉の調停に祖父母も出頭し,祖父母の面接交渉権を認める旨の調停条項を定めることは可能です。
   

プロフィール
  
 東川芳美
 
 奈良県奈良市出身,京都大学法学部卒業,京都大学法科大学院修了。2009年弁護士登録。
 民事・家事中心に多様な事件を取り扱っています。

 一言
 「迅速かつ丁寧な仕事を心がけております。お気軽にご相談ください。」
 
 弁護士法人不二 的場真介法律事務所 岡山支店
 住所 岡山市北区富田町2-13-12コートサイドビル5階
 TEL 086-238-6010
 http://bengoshihoujinfuji.cocolog-nifty.com/

【Ledya vol323 2012.3.8に寄稿】

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