供述調書の全頁に捨て印の意味は?
■質問
集団暴行致傷と担当警部が言われる事件にようやく被害届けと供述調書が
とられました。
帰宅して、よく考えると、供述調書のすべてのページに捨て印を(私の手で)押しました。
割り印は、押していません。
すべて、プリンターで警部が打ち出した文書で手書きではありません。
二つの書類ともに、最後のページに手書きの署名と押印をしました。
つまり、差し替えや訂正があっても、最後のページの署名押印がるので
正式の文書になると思いますが、裁判になるほどの重要な証拠なのに
これでいいのかな? と猜疑心が生まれました。
供述調書に詳しい方、コメントをください。
昨年8月に現場検証に来た警部は「ほかに解決方法は無いですか?」
3月には、「告訴は時効で、事件の時効ではない。」
と、言い、前任警部補は、「(このことを言い続けると)家族がくびになる。
知っているか?」などと私に質して、告訴を相手側には伝えて、警察内部処理は
(何も無かったように?)していなかったようです。」
■回答
私は、各ページへの供述者(被疑者、参考人)の押印は改竄(カイザン)防止のためにそれなりに意味のあるものだと思っています。もっとも、あなたが感じられたご疑問は至極健全な感覚だと思います。
供述調書は、1人称単数形(「私は」)の形式で書かれていますが、実は捜査官が「供述者はこういうふうに言っていた。」と書き留めた記録に過ぎないのですね。
昔は、被疑者・参考人などは調書の末尾の方に1か所署名するだけでした。そして、その後に「以上のように被疑者が語ったので、捜査官はこれを書き留めました。被疑者に読んで聞かせ(または読ませた)ところ、内容に間違いがないことを確認したので、末尾に確認の署名するように求めたところ、署名押印した」という趣旨の一文を書いて、その後に捜査官が署名押印していました。肝心な点は、各ページに契印(割印)をするのはこの文書の作成者である捜査官なのです。
こういうやり方だとどんな不正が起こるかわかりますね。被疑者が署名押印したページだけを生かして、その他のページを別のものと差し替えて、捜査官が契印をしてしまうと、容易に贋の調書が出来上がってしまうのです。
実際そういう事件が昔は起こっておりまして、捜査官が処罰されたりしていました。
これを防ぐために、各ページに押印させることにしたのです。ですから、無意味では決してないのです。下のリンクを参照してください。
そういうわけですから、今でも被疑者・参考人などが供述調書に契印(割印)をするようにはなってないんです。
日本の刑事裁判ではこの供述調書が一旦成立すると、ものすごい威力をもっているために、数知れない悲劇を生んできたのです。取り調べ全過程を録音録画する方法を導入(「可視化」なんていいます。)しない限り、調書の各ページに署名させたくらいのことでは冤罪の危険はなかなか減らないように、私は思ってます。
参考URL:http://takenoko-ent.blog.so-net.ne.jp/2007-06-14-1
■このQ&Aは、的場が、「bengofuji」のペンネームで「@nifty教えて広場」に回答した記事を、個人的にコレクションしているものです。また、質問部分については、長いすぎるものや質問者を特定する手がかりになりそうな記載は適宜短縮等しております。
« 離婚問題 | トップページ | 離婚した相手(元夫婦)と養子縁組は可能? »
「刑事事件」カテゴリの記事
- 18歳の高校生と成人の恋愛について(2014.10.21)
- 警察が本人に横領で調べるとき(2014.10.21)
- 被害届(2014.10.21)
- 義理の母親の物を窃盗(2014.10.21)
- 窃盗をしてしまいました。今後どうなるか?(2014.09.16)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント